日本人の成人のうち実に約8割以上の方が歯周病にかかっていて、その中でも約2割の方は重症の歯周病にかかっていることが分かっています。歯周炎は大多数の方が30才なかばから発症し徐々に進行していく病気です。そして50才を過ぎてからは歯を失う原因はむし歯よりも歯周病による割合が多くなり、80歳になる頃には約4割の人はすべての歯を無くし、平均すると8本の歯しか残っていない状況になってしまいます(平成17年歯科疾患実態調査)。
歯周病はサイレント ディジィ−ズ(静かに進行する病気)とも呼ばれており、皆さん、かかっていてもご自分では気付かない場合がほとんどです。自覚症状が出はじめた時にはすでにかなり進行しているということは良くあることなのです。
このページをご覧になっている皆さんは多かれ少なかれ何かしらのむし歯の治療経験がおありだと思います。しかし治療の最終段階で歯にかぶせ物やつめ物をする際に歯ぐきの健康を気遣った治療をしないと、場合によっては歯周病を引き起こしてしまうこともあります。歯周病は些細な事が引き金になって徐々に進行する病気です。そして自覚しにくい病気なのです。詰め物やかぶせ物ひとつでもつめる場合には歯周病を引き起こさないように注意深い処置が必要となります。
当医院では一般的なむし歯や入れ歯の治療はもとより、特に歯周病に対しては診断と治療の面で専門的に対応し、歯周病の予防と歯周病の治療を中心とした総合的な歯科医療を行っています。特に進行してしまった歯周病に対しては科学的に裏づけされた適切な治療を行い、ご自分の歯をできる限り残すことを優先した治療を心がけています。また軽度の歯周病の方に対しては、できる限り速やかに健康な歯ぐきを回復させ、その後は歯周病が再発しないように対応していきます。
本格的な高齢化社会を迎え、入れ歯を入れたけど良く噛めないという話をよく耳にします。どんなに優れた入れ歯も、自分の歯に勝るものはありません。進行した歯周病にかかった歯もできるだけ抜かないで済むような治療を進め、治療終了後には定期健診を受けていただくことにより健康な歯と歯ぐきの状態を維持し、快適な食生活を送っていただくことができるような治療をめざしています。
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