歯周病専門医の役割について日本歯周病学会専門医委員長の谷口威夫さん(谷口歯科医院・長野市)に聞いた。
歯科医院を開業して40年近くになりますが、歯周病で失われる多くの歯を見てきました。抜けてしまうと、歯は元に戻りません。]
すごくもったいない。もっと早く来てくれれば、専門的な治療で良くなったかもしれないのに、と思うこともしばしばです。
そんな理由から、日本歯周病学会専門医の存在を一般の方にもっと広く知って欲しいと思います。
日本歯周病学会専門医は、大学病院や研修施設などのクリニックで5年間の研修を経て、試験に合格した歯科医が取得できる資格です。
もちろん歯科医であれば、歯周病の治療は出来ます。専門医以上に歯周病を治せる歯科医もたくさんいます。
明確な違いは、クリニックなどの広告に「日本歯周病学会専門医」と表示できることだけかもしれません。
しかし、定められた研修を積んだ「研修医」は、患者のクリニック選びの参考になるはずです。
専門医は、日本歯周病学会のウェブサイトに名簿が記載されています。ただし、専門医は現在、全国に約830人で、
まだ十分とはいえません。学会としては、この数が増えるように策を講じてゆきたいと思っています。
手始めに、専門医の手前の資格として、研修期間が3年となる「認定医」の制度も4月からスタートさせました。
専門医となった後も、最新の技術の習得を目指す新しい研修のシステムも考えている所です。
歯周病は最近の研究が実を結び、進行した悪い状態であっても、かなりの程度治せるようになってきました。
「抜かなくては難しい」と歯科医に言われた後でも、歯周病の専門医に一度相談することをお勧めします。
読売ウイークリー 2008,6,8 歯科の実力「歯周病」より
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